熊本国府高等学校 Page2/2


100校プロジェクト 平成8年度実施状況   



○平成8年度の成果と課題
    本校のWebページ制作のほとんどが、パソコン同好会の生徒たちの手によるものです。
   企画し、資料を集め、文をまとめ、絵を描き、レイアウトを考える。何度も書き直し、苦
   労の末やっと完成したファイルを「誤って別なファイルを上書き」という失敗も。全てが
   生徒たちの貴重な体験、財産となりました。苦労すれば、全てが順調に進むものとも限り
   ません。昨年度中に構想していたWebページの中にも、未だ完成していないものもあり
   ます。学校や地域紹介のページなど、充分とは言えませんが、飛躍的に充実してきたと思
   います。生徒たちの努力の結晶です。身近な情報の中から、焦点をしぼり、ページにまと
   めて発信するということは、情報活用能力を育成する為の最適の教材だと思います。課題
   としては、パソコン同好会など一部の生徒活動から、「課題研究」などの多くの授業を通
   して、より多くの生徒たちに広めなければなりません。
    授業に取り入れていくには、教科内での指導案の検討が急務だと考えます。幸いにも、
   本校のプロジェクトチームには各教科の職員が含まれており、実現は難しくはないものと
   考えています。プロジェクトの発足が、年度途中(平成8年9月末)にずれ込み、各校務
   分掌等との兼ね合いで、今一歩動きが鈍い状態ですが、新年度からはスムーズな活動が期
   待できます。生徒たちの興味は、黒板やチョークより 既に新しいメディアにあります。
   その期待に応えることが、教師の責務です。「自ら学ぶ意欲と社会の変化に主体的に対応
   する能力を重視する」という現教育課程の重点は、情報処理能力の育成そのものです。
    また、今後の課題として克服せねばならぬのが、ハード、ソフトや通信コスト等の問題
   以外に、私たちの積極的な姿勢だと考えています。最新の「道具」を利用する場合、教師
  (教える側)と生徒(教わる側)の距離が縮まり、「生徒・教師が共に学んでいく」という
   「共同学習者」という関係が、更に高まってきます。教師の役目は単なる知識の伝達から、
   生徒たちが自ら学びたくなる「場所」と、学ぶための「素材」や「方法」の提供へと変化
   しています。「新しい教育」の可能性を秘めた「インターネット」に期待しています。
    なお、昨年11月、本校にクラッカーが侵入するという事件があり、akinotano 等でも
   報告致した通り。ネットワークに対する甘さが、この事件の発生を許したものと反省して
   います。本校への侵入が本校だけの問題ではなく、ネットワーク全体に影響を持つという
   ことや、セキュリティ関連の知識や技術修得の重要さを再認識することにもなりました。

○100校プロジェクトに参加して
    他校から遅れをとってしまいましたが、昨年春以来、パソコン同好会の生徒たちが、次
   々とWWWページを制作してきました。せっかくの作品、励みにでもなればとのコンテス
   トへの出品。入賞数10点程の中に入るとは考えてもいませんでした。生徒たちにとって
   大きな自信となりました。彼らが調べてきたものを見て、文学には関心を持たなかった当
   方が、「足跡を追って旅をしたい」と思い始め、まさに生徒に教えられ、感化されたとい
   うことです。これこそ「新しい教育の成果では?」と、ひとり微笑んでいるところです。
   すばらしい機会を提供いただいた「100校プロジェクト」に深く感謝しております。
    本プロジェクトを通じて学んだものは、ネットワーク知識・技術の修得はもとより、各
   校の先進的な取り組みに接することができたことなど、実に大だったと思っています。情
   報過疎の地方私学にとって、まさに「情報の泉」でした。本当にありがとうございました。


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