地下水を増やすには?

・・・ 山林や田畑などの涵養域が必要 ・・・


 
減り続ける涵養域かんよういき
 涵養域とは、水田、畑地、草地、林地、水域など、地下水を染み込ませ蓄えておける場所です。地下水は、雨水が涵養域から地下にしみこんだものです。県内の涵養域は、都市化や産業活動により、市街化され、1965年から1997年までに14%(131km2:熊本県地域興部の資料)も減少しています。
 
(地下水の量)=(雨水がしみこむ量)-(使用量)
 上の式のように、雨水のしみこむ量が多いほど、使用量が少ないほど、地下水は増えることになります。
 
(山林や田畑にしみこむ量)>(建物や舗装道にしみこむ量)
 山林や田畑が減少し、建物や舗装道が増えると、地下水の量が減少するだけではなく、雨水が側溝や河川に一気に流れこみ、河川のはんらんや水害も増加します。雨水をしみこませる山林や田畑(涵養域:かんよういき)を多く確保することが必要です。
 地下水を増やすことは、水害防止や、地盤沈下防止にも役立ちます。無駄に地下水をくみ上げないことも重要です。地下水を増やす為には、「無駄遣いを止め」、「涵養域を増やす」のが一番なのだが、先に述べたように、開発や休耕田の増加や農地の減少で、涵養域は増えるどころか減っているのが現実です。
 
水田は涵養域でもあり
ダムの役割も果たしています
しかし、農業人口の減少や休耕田などで
水田の耕作面積も減少している

 休耕田や冬季の水田を潅水する(水を注ぐ)なども対策のひとつでしょう。しかし、一部の農家や地域に負担をかけるだけでは、万全な対策にはなりません。水の恩恵にあずかる受益者全体が経費を負担するのは当然。負担することによって、水の大切さを知ることにも繋がります。私たちも、パックの臭いでとても美味いとは思えない「パック水」に高いお金を払うより、安全でおいしい地下水確保にお金をかけるべきではないでしょうか。近年、休耕田を借り上げて水を張るという活動が団体や企業・個人にも広がりつつあります。更に抜本的な地下水確保のために、行政当局の早急な対応にも期待したいものです。

 
 
 建造物や舗装道が多い都市部においても、雨水浸透施設を設置する事で地下水量が増え、樹木の保護育成にも効果があります。

雨水浸透施設うすいしんとうしせつ

 山林や田畑に比べ、建物が建った所は極端に水の浸み込む量が減少します。市街化が進むと、地下水の量が減少するとともに、雨水が側溝や河川に一気に流れ込み、水害や冠水が頻発するようになります。
 雨水浸透施設をつくれば、地下水の量が増え、河川や側溝に流れる水の量を抑制でき、水害や冠水防止にも効果が。一口に雨水浸透施設といっても、下記のように様々な種類があります。 
 
種 類 解       説
透水性舗装 普通の舗装よりきめが粗く、雨水が浸透しやすい構造になっている。
連棟式ビニールハウス雨水浸透施設 ビニールハウスに降った雨は、側溝から川へ流れ込みます。この貴重な水資源を地下にしみ込ませ、地下水としてよみがえらせるための施設。農道の冠水防止や都市型洪水の軽減にも役立つ。
浸透性側溝 側溝の側面や底面が水を透しやすい構造になっており、雨水だけを流す側溝にだけ使うことができる。
浸透式駐車場 穴空きブロックに芝を張り、芝の部分から雨水の浸透が可能。敷地の緑化にも役立つ。
雨水浸透槽 土中に埋め込んで、雨どい等から流れ込んだ雨を地中に浸透されるもの。雨水浸透枡とも。

 雨水浸透槽の設置については、自治体等からの補助金もあるようです。わずか一個の雨水浸透槽でも、地域に日本全国に地球全体に広がっていけば、大きな涵養設備になるものと思います。 

 雨水浸透施設ではなく,雨水をためて散水や洗車などに活用する「雨水貯留タンク」や「雨水貯留槽」もあります。その分、地下水を節約できます。熊本市でも工事費用の補助があるようです。
 
 

知っていますか?

 木の根や落ち葉は雨水を蓄えるため、水の流出を制御することができます。木の多い山は水を1年中少しづつ流していくのに対し、木の少ない山は、雨が降ると同時に水が一気にながれ下ります。森林は、まさに自然が作り出した緑のダムと言えます。敷地などに木を植えると、雨水の流出を防ぎ、地下水の涵養などのほかに、心の安らぎを与えてくれます。温度上昇の防止にもなります。また、スギやヒノキなどの針葉樹林よりも、ブナなどの広葉樹林の方が、よく根を張るため、雨水をしみこませるのに適しています。涵養林には広葉樹林が良いわけですね。ところで、ウワサ(あくまでもウワサ?)では、水前寺公園の水が減った原因は、県庁が井戸水を大量にくみ上げたからとも?・・・本当ならば早急な対応が必要でしょう。
 涵養される量から、湧き出したり汲み上げたりする地下水の量を引いた熊本地域の「水収支」は、毎年2千万トン以上のマイナス、赤字ということ、この傾向は今後も続くとのこと。このままいけば、熊本の地下水は無くなってしまいます。地下水に100%依存する熊本にとって、大変なことです。

制作:熊本国府高校パソコン同好会


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