熊本弁入門

特徴的な熊本弁として、まず「とっとっと」と「すすす」!

方言 意  味 用法(意味)
トットット 残している
確保している
コラ、アータにトットットバイ!
(これは、あなたの為に残しているのですよ)
ススス 「すきま風がすーすー入る」
ということからか「肌寒い」
今日はスススんね!
(今日はちょっと肌寒いですね)
似た音を三回繰り返しており、面白い表現だとは思いませんか?
他に「タッタッタ(立ったのだ)も!」とのメールも。
 

 
ケーキ   ところで、「ケーキナット食ォーカ」とか「イチゴドン食ォーカ」と言う言葉を聞いて、「ケーキに納豆をつけて食べるの?」、「イチゴ丼(どんぶり)?」などと、驚かないで下さい。「ケーキでも食べようか」「イチゴでも食べようか」の意味です。熊本人だってまともなんですから!このような「ナット」とか「ドン」などの接尾語や「キャー」とか「「ウッ」などの接頭語も熊本弁の特徴の一つでしょうか。 納豆

 熊本弁には意味を勘違いされそうな言葉もあり、誤解を生じることもあるかと思います。我々熊本人としては、他県の人と話す場合、注意すべきかと。

 熊本弁が分からない方、「何かおかしい」と思われたら、遠慮なく聞き返してください。誤解は必ず解けます。

 方言は文字で表しただけでは、解りにくいところもあります。熊本弁を理解するためには、アクセントやイントネーションなど発音の仕方やその場の雰囲気も重要です。外国語を学ぶのと同じで、その場の雰囲気や土地に馴染むことだと思います。ぜひ一度、熊本にキナッセ(お出で下さい)、熊本弁のネイティブスピーカーに歓迎されることでしょう。


五木の子守唄おてもやんなど、民謡の中にも!

 熊本の代表的な民謡 「五木の子守歌」の意味
     (以下、問い合わせメールへの回答より)
歌   詞 意    味
おどま盆ぎり盆ぎり
盆から先きゃおらんと
盆が早よ来りゃ 早よもどる
おどまくゎんじんくゎんじん
あん人たちゃ良か衆
良か衆 良か帯 良か着物
私(の子守奉公)はお盆まで、お盆まで
お盆が過ぎたら居ませんよ(実家に帰るんですよ)
お盆が早く来れば、早く(家に)帰れる
私は物乞い(貧乏、自分を卑下した言葉)物乞い
あの人たちは良い人たち(お金持ち)
良い人(お金持ち)たちは美しい帯や着物を持っている
(お盆に家に帰ったとき、自分も着れたらいいけど・・・)
 だいたい以上の通りだと思いますが、不充分なところもあるかと思います。
 方言には、微妙なニュアンスの違いなどがあり、難しいですね。
 関連ページ:熊本の歌参考資料五木の子守唄の歌詞子守唄の里

 ところで、テレビやラジオで、一部のタレントが面白おかしく使う「下品な」熊本弁の為に、「品がないとか、口調が荒い」方言だと誤解されることも度々。言葉はその人の心を表現します。使う人次第で、上品にも、優しく、心地よい言葉にもなります。「方言は汚い」との先入観は捨てましょう。方言は、それぞれの地域に根付いた、表現力豊かな、味わい深い言葉です。時・場所・場合を考え、正しい熊本弁を誇りを持って使い続けていきたいものです。

いただいたメールの例
 「熊本を含む北九州弁のイントネーションや発音の特徴は韓国語によく似ていると感じませんか?」というメールをいただきました。確かに私も、人ごみの中で聞いたとき、他の外国語と比べて違和感を感じません。地理的にも京都や東京より近いのですから、それが当然なのかも知れませんね。大げさかも知れませんが、「熊本弁の更なる調査研究が、近隣諸国との友好にも発展するのでは?」という期待感さえあります。更には別の方から「隣国の言葉を理解しようとしないのは日本人の欠点。諸外国では隣国の言葉を知らないと一人前に扱ってもらえないし、良い仕事にも就けない。」とも。英語一辺倒の日本の外国語教育、見直す必要はないのでしょうか。世界で最も多くの人々が使っている言葉は中国語。韓国語や中国語など近隣諸国語にもっと関心を抱くべきと思っています。(本サイトにLAFCADIO HEARN の“THE FUTURE OF THE FAR EAST(極東の将来)”の韓国語訳中国語訳も)
北さん(コンパス) 「熊本の代表的な方言は、方角に(行き先)に”さん”を付ける事じゃないでしょうか。今日は 熊本さん行きよっと たい 、上さん 行く、 下(した)さん行く等」とのメールもいただきました。「さん」は「〜の方(ほう)へ」の助詞または接尾語で、東北弁の「さ」と同じようです。しかし、方角や場所にも「さん(敬称)」付けするのかと、驚く人もいるかも知れませんね。これも特徴的な熊本弁の一つでしょうか。ところで、「お日さん」とか「雷さん」などは「さん」や「さま」を付けします。しかし、それは共通語も同じですね。
 以上のような熊本弁に関して頂いたメールを紹介するページもあります。参考になるものが多く、助かっています。

 熊本弁には、標準語と全く違うものや中世・近世の古語が残っているものなど様々。「熊本弁一覧表」、「助詞・助動詞」、「接頭・接尾語」に様々な単語を紹介しています。他にも「熊本弁よもやま」」や「笑い話」もあります。熊本弁をゆっくり味わってください。
 10年、20年前とは用法や意味が変わることもあるようです。共通語以上に刻々と進化(?)していくのも方言でしょうか。更には、私たちの知識不足や勘違いによる間違いもあるかも知れません。私たち自身、メールを頂いて初めて気付くことも度々、地元熊本に居ては気付かないこともあります。皆さまのご指導、ご意見、アドバイス等、よろしくお願い致します

制作:熊本国府高等学校PC同好会

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