コラム「はがき通信」

 都合により、このHTML版は平成18年度で終了します。平成19年度からはPDF版だけとさせていただきます。今後ともよろしくお願い致します。

 森先生が「はがき通信」を発信されています。熊本国府高等学校の普段の様子や感じられたことを綴っておられます。許可をいただきましたので、発信後しばらくおいて、本サイトのコラムとしてここに紹介させていただきます。

縦書き実験中! 葉書は縦書きですので、本ページも縦書きを試みました。しかし、ブラウザ(WEB閲覧ソフト)によっては未対応のようです。しばらく実験中ということで。二〇〇六年七月十七日

 縦書きがうまく表示されない場合はPDFファイルもあります。以前のPDFも

区切り線

はがき通信 その一
 
 光の一粒一粒がしっかり膨らんで、日毎に季節が濃密になる頃になりました。早朝、緑の中を若者が走っています。若者の挨拶が飛び交います。
 本校は創立以来六十五年、多くの人材を育ててまいりました。卒業生も約三万五千人を数え、親子三代にわたって学ぶ生徒も出ています。おかげさまで、高校総体、高校総文と生徒の活躍はめざましいものがあります。そして、いよいよ野球部が夏の高校野球予選から出場します。このたび、このような本校生徒の高校生活をいろいろな角度からとらえ、それを定期的にお伝えする国府高校通信を発行することになりました。ご笑覧賜り、ご指導ご助言いただければこれ以上の喜びはございません。

  平成十八年 六月吉日
はがき通信 その二
 

 農業公園、カントリーパークの前に、広大な野球場が広がります。
五月にオープンした国府高校の野球場です。藤崎台球場とほぼ同じ広さです。そこで今、六十名の球児が白球を追っています。
 六月からさっそく練習試合が始まりました。全員一年生、せっかく点を取っても、すぐに取り返されます。全員に経験を積ませるためにメンバーチェンジが行われているからです。この中からレギュラーが決まり、夏の大会へと出場することでしょう。応援に、もう地元の方々が来ています。国府高校とは関係のない方です。
 「よう挨拶するもんな、可愛いかですばい」とご夫婦で目を細めて見ておられる方もいらっしゃいます。地域の方々から愛される野球部、学園の中心になっていく野球部、「野球人の前にちゃんとした高校生になれ」これが監督の指導方針です。

  平成十八年 六月二十七日
はがき通信 その三
 
 早朝、教育実習生がトイレの掃除をしています。登校して来た生徒が次から次へと手伝います。何を言わなくても、教師と生徒の交流が始まります。
 本校には今、七名の教育実習が来ています。本校の卒業生です。母校への想いは強いものがあります。私どもも厳しくあたたかく指導したい。母校だからという甘えはさせない。しかし、母校だからすべてをさらけ出して育てたい。教師は素晴らしい仕事だよと教えたい。私ども、幾つもの、季節を通り過ぎながら、時として立ち止まる事があります。時として、私どもの教育はこれで良いのだろうかと疑問を持つ事があります。繰り返し繰り返し指導しても生徒に伝わらない虚しさを感じることがあります。けれど信じたい。生徒の無限大の可能性を。人が人として生きることの素晴らしさを。

  平成十八年七月四日
はがき通信 その四
 
   心なごむ高校に

 職員トイレに行きますと、熊本国府高校のやさしさを感じます。洗面所にはいつも可愛い花が飾られています。被服部制作のトイレットペーパー入れも、心がなごみます。
 人が気付かない所に、そっとやさしさが宿るそんな国府高校です。一つ一つの窓に花壇があります。季節季節の花が風に揺れています。
 厳しい時代です。生徒がどんどん変わっていきます。保護者の方の考え方も変わります。
 しかし、どんな時でもどこかに心がなごむ所が欲しいのです。熊本国府高校はいつもそれを心がけています。

  平成十八年 七月十一日
はがき通信 その五
 
 本校で今年もまた、千年前の古代から蘇った「大賀ハス」が、薄ピンク色の花を咲かせています。実に気品のある楚々とした花です。
 国府高校に世界最古の「大賀ハス」が咲くようになったのは一九九五年からです。その当時の木下校長先生(現理事長)は大賀ハスの実の発掘から、開花に至るまでの夢とロマンに大変感激なされました。これを生徒達への格好な教材にしようと考えられ、一年の準備期間を経て本校で本格的に取り組みました。その後、「大賀ハス」は毎年、見事な花を咲かせています。発見者、大賀一郎博士の限りない探求心と、不屈の実践力。そしてこれを支えた関係者の献身的な努力。その夢とロマンがこの国府高校で実ったのです。本校はこの花を生徒への生きた教材として大切に育てたいと思っています。

  平成十八年 七月十八日
はがき通信 その六
 
 「おはようございます。」早朝から進学指導室に生徒が来ます。添削指導を受けるためです。昼休み、次から次へと生徒がやって来ます。「看護師になりたいのですが資料を見せてください。」「良く来たね。君に逢いたかったとよ。」と冗談を言いながら久保先生が資料を出しています。就職指導室にも実に多くの生徒が来ます。熊本国府高校の特色は、卒業生、在学生が多いということです。人的資源が豊富だということです。このことは誠に多くの出口が用意出来るということです。進学では九大の工学部にB判定が出ている生徒もいます。中には、まだ、どう進んで良いかわからない生徒もいます。それぞれの生徒にそれぞれの道が用意出来る学校、それが熊本国府高校です。

  平成十八年 七月二十八日
はがき通信 その七
 
 本校で二千年の太古から蘇った「大賀ハス」と西山中でアンネフランクが生き続けたいという願いをこめて育てていた「アンネのバラ」。この花の姉妹校締結が七月二十三日行なわれました。この花には、時と国は違っていても十五才の可憐な少女がかかわっています。
 ナチスに虐殺されたアンネフランクがオランダの隠れ家で育てていたバラ、その時アンネフランクは十五才。寒風にさらされ発掘工事は打ち切りと決められたその日の夕闇迫る五時十分、一粒の黒い蓮の実を発見したのが、十五才の少女、西川真理子さん。
 二つの花は、世界の人々に感動を与えて、永久に語り継がれています。命の大切さが失われている現在、二つの花の交流によって、命の尊厳さを私どもは訴え続けたいと思っています。

  平成十八年 八月四日
はがき通信 その八
 
    父に送る短歌
 先日、職員健康診断が行われました。診察を待っている間に、本を読んでいる先生がいます。誰も知らないのですが、この先生は遠く離れて暮らしている九十六才になるお父様に、毎日、短歌を送っておられるのです。短歌はがき通信です。
 「近頃、歌をほめられるようになりました。」ちょっと恥ずかしそうに話されました。
 毎日、毎日、送られてくる短歌、それに毛筆で返事を書く九十六才の父。じめじめとした梅雨の時に、そこだけ涼風が通り抜けている感じがしました。

  平成十八年 八月十八日
はがき通信 その九
 
    夏の終り
 汗でシャツに塩が吹き出ている。
 顔を覆って泣く生徒に声をかけてやることも出来ない。
 「インターハイに出たのだから、良く頑張ったよ」と言ってやりたいが、そんな言葉は慰めにもならない。泣くがいい。君達はそれだけの努力をしたのだから。思い切り泣いた後は、さあーっと瞳をあげて、真直ぐに次の道を進んで欲しい。夏が終わると生徒はそれぞれの道を歩み始める。進学指導室、進路指導室には生徒がいっぱいになる。かけがえのない三年間だから、私どもも精一杯の手助けをしたい。
 私たちに夏の終りはない。あるのはいつも次の始まりである。
  
  平成十八年 八月二十五日
はがき通信 その十
 
    宝石を磨く2学期
 2学期が始まりました。生徒達がそれぞれに自分の宝石を磨く2学期です。その宝石の光が満ちあふれる熊本国府高校を目指します。
 2学期の主な行事
  九月一日(金)始業式
  十月五日(木)体育大会(パークドーム)
  十月二十六日(木)二十七日(金)泉心祭
  十一月十一日(土)学校説明会(中学生対象)
  十二月十三日(水)〜十七日(日)2年修学旅行
  十二月二十二日(火)終業式

  平成十八年 九月一日
はがき通信 その十一
 
    新たな展開
 本校は男女共学になって十一年目を迎えています。今では男子学生は六割を占めて、卒業生も確かな足跡を残しています。
 セレッソ大阪の藤本康太君、彼は北京オリンピックのサッカー候補選手。記憶に残っているところでは、亜細亜大学の岡田直寛君、箱根駅伝で優勝のテープを切りました。六月に教育実習に来た七名のうち六名が男子学生。野球も発足し元気の良い挨拶が飛び交います。本校は女子校だった時の気配りの細やかさ、家庭的なあたたかさを大切にしながら、新たな展開を目指します。

  平成十八年 九月八日
はがき通信 その十二
 
 男子と間違えそうな短髪の女子バスケット部員がコートを走りまわる。今年の夏の休みはお盆の二日だけ。練習が終ると三年生が率先して後片付けを始める。部の決まりは自分達で作り守っている。「二十四時間バスケットのことだけ考えよう。そのためには、勉学は勿論の事、食べ物から健康面まで気をつけよう。挨拶の仕方から、電話の応対まで細やかな気配りをしよう。」 青春のすべてをかけてバスケットに情熱を燃やしている姿は実にさわやかだ。本校にはその他、全国大会に出場するチームがいくつかある。それぞれの部がそれぞれの特色を出して練習している。共通するのはピアスもなければ、化粧もない。あるのは若者の汗で輝く素顔の美しさである。

  平成十八年 九月十五日
はがき通信 その十三
 
  十対〇、五回コールド。本校野球部が公式戦初勝利をしました。
男子が入学して十二年目、野球部が創設されて六ヶ月。熊本国府高校に、また新しい歴史が刻み込まれました。
 今年の夏はハンカチ王子などの出現によって、高校野球が人々の耳目を集めました。そこに私どもは失われつつある日本人の良さを見出したような気がしました。品格、清潔、闘志、真面目、礼儀、しかし、良く見ると私どもの周りにも、ひたむきに普通の高校生活を送っている生徒は沢山いるのです。ともすれば問題行動を起こす生徒ばかりに視点がいってしまいがちですが、さわやかな高校生は多いのです。今日もまた、何人ものハンカチ王子に出会いました。

  平成十八年 九月二十二日
はがき通信 その十四
 
     セミナーハウス
 本校には百人はゆっくり宿泊できるセミナーハウスがある。体育部の合宿、ホームルームや部活動、学級指導などで活発に活用している。大小の研修室があり、和室もある。視聴覚設備も完備していて、講演会などには最適である。
 ここの食堂は昼食時になると満室になる。生徒に人気があるのは、どんぶり物とか。三百五十円の日替り定食をいつも食べに来る先生もいる。
何よりうれしいのは、ここで働いている方々が、本校の野球部の試合にいつも応援に来ていただく事である。

  平成十八年 九月二十九日
はがき通信 その十五
 
   「ただ今帰りました」
 U―16 日本代表として韓国に遠征していた女子ハンドボール部の松木史さん(一年、本渡中出身)が帰ってきました。一段と逞しくなって、大きな目を真っ直ぐに向けて、国際試合の事を話してくれました。ハンドボール部の先輩にはドーハで行われるアジア大会に、日本代表として出場する二名の方もおられます。水野恵子さん(H十年卒)、勝田祥子さん(H九年卒)
 このハンドボール部や、バスケットボール部は男女とも全国大会に出場します。私どもの夢は、男子も女子も日本代表として多くの生徒が出場してくれることです。

  平成十八年 十月六日
はがき通信 その十六
 
   霧の道
 「お前の顔を見ようと思って、あそこに立っていたよ」。走り終わった孫を見上げながら、おばあちゃんが話しかける。霧の中の飯田高原、第十一回九州選抜高校駅伝競走大会。冷たい風に各校の旗がはためいている。
 本校はアンカーが追い上げて三位、本番へ向けて、確かな手応えを感じた。帰り道、走ったコースの塵を拾っている本校生徒を見た。
 「頑張ったね」を声をかけると、「ありがとうございます」と、さわやかな声が返ってきた。「高校生っていいなあー」と、そう思いながら霧の道を帰ってきた。

  平成十八年 十月十三日
はがき通信 その十七
 
  私は今回教育実習の為、母校である国府高校に帰ってきました。私が卒業して四年、母校はまた大きく成長を遂げていました。新しく野球部が創られ、早朝、全校で書写をする。新たな挑戦です。「こんにちは」という大きな声で挨拶する部活動生も健在でした。教育実習で私が一番感じたことは、先生方の努力、そして生徒への愛情の大きさ、温かさでした。生徒でいた時は知る事が出来ない事でした。この三週間は、生徒たちの屈託のない笑顔に励まされ、自分自身を見つめ直すことが出来た貴重な時間でした。そして忘れつつあった真っ直ぐに前を見る心を取り戻すことが出来ました。私自身の原点は国府高校。そのことを心から感じ、感謝の気持ちで一杯です。立派な教師を目指して頑張ります。
 大阪体育大学四年 上田渉

  平成十八年 十月二十日
はがき通信 その十八
 
 キンモクセイの香の中を、冬服に衣更えした生徒たちが登校して来ます。秋です。嬉しい事が三つありました。
 九月末、文部科学省後援、実用数学技能検定「数検」グランプリ、奨励賞を本校がいただきました。これは日頃の数学教育の努力が認められたものです。二つ目は第六十一回、国体に本校から九名も出場しました。バスケット四名、陸上三名、サッカー一名、そして天川道代先生。先生は成年女子バスケットボール選手として出場し、見事準優勝に輝きました。また成年男子ハンドボールコーチに鎌田雅彦先生も出場されました。三つ目は境祥子先生、日本陸連から指導者功労者表彰「平沼亮三章」を受賞されました。これは高校生の指導者としての素晴らしい功績が全国で認められたものです。素晴らしい指導者、素晴らしい生徒、秋風の中で国府高校は更に躍進します。

  平成十八年 十月二十七日
はがき通信 その十九
 
   泉心祭
 津軽三味線の激しい音色が響く。国府高校の「泉心祭」の幕開けです。ベートーベンの悲愴第三楽章、ピアノ演奏、合唱コンクール、漫才、ロックバンド、ヒップホップダンス、ブレークダンス、演劇、不思議なエネルギーに満ちあふれたステージ部門。巨大似顔絵、養護学校の生徒さんとの交流会、やさしさと芸術性の高い展示部門。お茶飲み放題の肉まん、いきなり団子、タピオカ、アイスクリーム、焼きそば、食欲をそそる匂いが立ち込めるマーケット部門。多くの男子生徒が神妙に座っていた肥後古流の茶道部。中国雑技団の「芸」におしみない拍手を送った芸術鑑賞。
 国府高校の「泉心祭」には生徒の意外な才能が満ちあふれていた。
ここには確かに青春の輝きがあった。

  平成十八年 十一月二日
はがき通信 その二十
 
    一流のチーム
 秋風を感じる十一月に入りますと、本校の先生方の週末は忙しくなります。新人戦が始まるからです。ソフト、野球の応援に行って、駅伝、ハンド、バスケを応援して、テニス、サッカーと一喜一憂する日が続きます。その中で、サッカーがルーテルを敗って準決勝に駒を進めます。女子バスケ、ハンドの男女も勝ち進んでいます。
 部活をするなら、どっぷりとつかって欲しい。二十四時間、部活のことを考えて欲しい。そうすれば、どんなことをすれば良いのか、自然とわかってくるものです。食生活から挨拶、礼儀、勉学。一流のチームにはそれがあります。幸いな事に本校にはその一流のチームがいくつかあります。全部の部が一流になって欲しい。そんな願いを込めて、今日も私どもは応援に行くのです。 

  平成十八年 十一月十日
はがき通信 その二十一
 
    早春の陽ざしほどの生甲斐
 「一万円札を拾って来た生徒がいます。心当たりの方がいましたら、ご連絡ください。」
 朝会で明るい声が響きます。拾って届けてくれる生徒の気持ちが嬉しい。モノ、カネが万能の時代、それが今の荒廃した世の中を作り上げているのではないか。人はどこまで落ちていくのか。毎日、毎日、暗いニュースばかりで滅入っていた時にこの明るい話題。
 みんな笑みがこぼれます。
 掌にうける早春の陽ざしほどの生甲斐でも人は生きられる。
 一万円札を拾って届けてくれる。たったこの事だけで、今日一日、幸せな気持ちになります。

  平成十八年 十一月十七日
はがき通信 その二十二
 
   ある卒業生からの手紙
 先生、お手紙ありがとうございました。近頃、新聞やテレビで国府高校という文字を見つけただけで、嬉しくなったり、応援していたりする自分がいます。これはきっと、高校時代には気付かなかった先生方からの愛情一杯のご指導があったからだと思います。先日、先生が「今一才の孫が高校に行く時に熊本県の高校入学の人数が三千二百近く減る」と、具体的に教えてくださいました。わが子も現在一才。親として、大人として今の日本に危機感を持ちました。世界に目を向けると恵まれた環境の中で暮らしている私たちは、真剣に生きる事の大切さを見失っていると思います。変わるべきは大人だと思います。真剣に生きていない大人の背中を見て育った子供に、真剣に生きろとは言えません。まずは私自身、真剣に自分と向き合い、自分の人生を自分でほめられる人間になります。 上山京子(平成十年卒) 

 平成十八年 十一月二十四日
はがき通信 その二十三
 
   国府高校はどんな高校ですか?
 「先生、パソコンを使って良いですか」「ここは生徒の皆さんの為にあるのです。どんどん利用してください。」
 進学指導室の放課後は大学進学を目指す生徒達で一杯になります。午後七時過ぎまで灯りがともっています。今は大学の資料もインターネットで収集することができます。しかし、何と言っても各大学から送られてくる入学案内が一番です。不足して、大学に電話をすると、実に丁寧で迅速な対応をしてくれる大学があります。一方では事務的で、熱意がまったく感じられない大学もあります。
 そして思います。熊本国府高等学校は中学の先生方にどう思われているのだろうかと。熱意が感じられる高校だろうか。生徒を一所懸命に育てようとしている高校に見えるだろうかと。

  平成十八年 十二月一日  
はがき通信 その二十四
 
   テレホンサービス
 受話器を取って、〇九六―三六六―三〇〇〇を押しますと、軽やかな音楽が流れます。そして、「こちらは熊本国府高校テレホンサービス、第八九九号です。」とさわやかな生徒の声。行事、時間割等の変更、部活動報告、今後の行事予定と盛り沢山の内容です。今週で九〇〇号、千号の大台も近くなりました。継続は力なりと申しますが、実に十八年間にわたっての実績です。今までに北極遠征、修学旅行など、その時々の活動を伝えてきました。たった三分間で学校の情報が届く、それを中心にして家庭で親子の対話ができる。テレホンサービスは生かされる情報です。ここには、生徒の生の声があります。学校の生きた姿があります。どうか今後もこの熊本国府高校の息づかいをお聞き下さい。

  平成十八年 十二月八日
はがき通信 その二十五
 
 「ハンドでは負けられません」と先日行われた教職員ハンドボール大会に、本校は勇躍出場しました。なにしろ、ドーハで行われているアジア大会女子ハンドに二名の選手を送り込んでいる国府高校です。レベルは高いのです。しかし若手の特訓にもかかわらず二回戦で敗退。その敗因を考えると次の二点に絞られました。
 ,△泙蠅砲盥眦戮丙鄒錣里燭瓠∩手の身体が付いて行けなかった事。全日本級の戦術を練習すること三日、選手は頭ではわかっていても、身体が動きませんでした。¬襪良瑤世韻鯲習していた人が多かった事。試合よりも、ひたすら夜の宴会のためトレーニングを積んでいた応援団が多かったのです。ですから宴会はさながら優勝祝賀会。大いに盛り上がりました。きっと心やさしい生徒達が一月七・八日に行われる高校ハンドボール決勝リーグで本物の優勝をしてくれるでしょう。
  平成十八年 十二月十五日
はがき通信 その二十六
 
 本校の朝は早いのです。六時にはもう体育館では、早朝練習が始まっています。松葉杖を突いて見学している生徒に「寒いだろう。練習出来ないのに感心だね」と話しかけますと、にっこり笑って「見学していても勉強になります」と立派な返事が返ってきました。先生方も早いのです。化粧台の前などに可愛い花を生けている先生もおられます。花を見ながら、ちょっとネクタイを直すのも実に気持ちが良いものです。教室で一所懸命勉強している生徒など、朝でなければ見えない姿が沢山あります。七時過ぎになりますと、やっと空は明るくなって課外が始まります。八時を過ぎますと、学校全体は活気に満ち溢れ、慌ただしい一日の始まりです。そして夜の十時、やっと学校は眠りに入ります。こうして、日々を重ねて、今年も終わりに近づきました。この号が本年最後の号になりました。来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
  平成十八年 十二月二十二日
はがき通信 その二十七
 
 熊本国府高校進路状況

大学合格者続出!
国公立大学 5名
 熊本県立大学(3)、福岡教育大学(2)
私立大学 81名
 熊本学園大学(43)、法政大学(1)、久留米大学(3)、立命館大学(1)、その他大学(33)
センター試験受験者 73名

専門学校 76名

就職 好調!
内定者 120名
 九州労働金庫(1)、螳貌1(1)、オムロン(1)、蠏本ホテルキャッスル(3)、熊本赤十字病院(1)、衙拆譽┘好謄奪(2)、螢戰好氾鉄(3)、山崎製パン(1)、螢螢隋璽罅璽僖(2)、富士フィルム九州(1)、その他

平成18年12月25日


 (本物は横書きでした)
はがき通信 その二十八
 
   冬休みの職員室
 冬休みに入りますと、卒業生が学校に遊びに来ます。中には小さなお子様を連れて来る人もいます。廊下を走り回る子供にお菓子をあげながら、「大きくなったら国府高校に来るのよ」と、もう勧誘している先生もいます。在学時代に問題児だった自分の事は棚に上げて、文句を言う卒業生もいます。「先生、もっとビシビシ叱らんとだめですよ。近頃は甘いのとちがいますか。」「お前の時も、ずいぶん辛抱したのだよ。あの頃、親は泣いていたよ。」子供を連れて来る卒業生のために、お菓子をいっぱい用意している先生。立派に成長していく卒業生を楽しみに待っている先生。冬休みは、外は寒いけど、ぽかぽかとあたたかな職員室です。

  平成十九年 一月十二日
はがき通信 その二十九
 
   近くの火事から学んだこと
 正月気分がまだ抜けきれない一月六日、午後八時ごろ、国府高校南側の民家が全焼。アパートの一部に延焼し、二人の人がやけどを負われました。おひとりは重傷だとのこと。柱が二、三本、黒焦げになって、残っている焼け跡。水浸しになった家具を運び出している方々。その中に本校の生徒の家もありました。もし、あの時、強い風が吹いていたら、もっと大火事になっていたのではないかと、身の縮むような思いが致します。何もかも順調でうまくいっている時こそ、危機が迫っているものだと、つくづく感じています。その対応をいつも、しっかり考えておかねばならない。三学期の始めに、その事を強く感じた事でした。

  平成十九年 一月十九日
はがき通信 その三十
 
   センター試験に七十二名
 一月二十、二十一日、センター試験が終りました。本校の受験者は七十二名。これだけの人数がいますと、試験会場でも一角を占める事ができます。昼休みには校長先生を始め、多くの先生方が駆けつけました。そのおかげで、生徒諸君は日頃の実力が充分に発揮できました。本校の最高点数は七百九十八点、九大の工学部にAランクです。後に何人も続いています。「国府高校に来たから、自由に伸び伸び出来て、力もついた。」と、生徒は言ってくれます。しかし、本番は今からです。今からが勝負の日々です。基本テスト、実力テストのやり直しなど、今までの基礎をもう一度、かためる事に集中させたいと考えています。国府高校から東大にも合格者を出したい。
それが、私どもの目標です。
  平成十九年 一月二十六日
はがき通信 その三十一
 
   温かい保健室
 しゅんしゅんとお湯が沸いています。ストーブに手をかざしながら「ここは心が安まるなあー」と生徒がつぶやきます。ここは本校の保健室です。いつも笑顔の先生が二人おられます。生徒が大好き、学校が大好きな先生です。保健室に暖房設備がないわけではありません。あえて、昔ながらのストーブを使っているのです。ストーブなら顔を合わせながら話が出来るからです。近くで生徒の悩みを聞く事が出来るからです。しかもお湯は湯たんぽに使うことが出来ます。生徒は湯たんぽが大好きです。今の時代、すべての物が近代化され、便利になりましたが、昔の物にも良い物があります。このストーブや湯たんぽには人の心が通う温かさがあります。本校の保健室は、この温かさを大切にしています。
  平成十九年 二月二日
はがき通信 その三十二
 
   私達が嬉しい時
 制服をぴしっと着こなして、さわやかな生徒達が職員室に入って来ます。第52回西海駅伝競走大会に優勝した生徒達です。二年連続、三回目の優勝です。四区では蓮池龍顕君(二年小川中出身)が区間賞を取りました。生徒代表の報告が終ると、大きな拍手が起こります。優勝した事も嬉しいのですが、この生徒達の日頃の生活にみんな拍手しているのです。挨拶から始まって、掃除、そして勉学、全てに渡って素晴しい生徒達です。それぞれの部が特色を持ち、それに魅力を感じる中学生が集まる。そんな学校にしなければならない。入学した生徒がどんどん伸びる学校でなければならない。私どもは常にそう思っています。しかし私どもは時として悩み、立ち止まり、自分の力のなさを感じる事があります。だから、センター試験で、九大、阪大、東北大にA判定の生徒が出た時、飛び上がるほど嬉しいのです。こうして素晴しい生徒を見る時、思わず大きな拍手を送るのです。 平成十九年 二月九日
はがき通信 その三十三
 
   朝日と夕日
 国府高校の日照時間は長い。朝は燦然と太陽が昇る。夕方は真っ赤に燃える夕日が沈む。熊本市の中心部にありながら、校舎はいつも太陽の光を受けている。朝六時頃には部活動の生徒が走っている。朝の時間の不思議さは、しばらく物質世界との関係が絶えるという事だ。何か自由な、自然な伸び伸びした気持ちになる。夕方の時間の不思議さは、何かふるさとに帰る思いにかられる事だ。視聴覚室から見る夕日にしばし、時を忘れる。なぜか郷愁の思いにかられる。紅に沈む夕日を眺めていた生徒が「心の真中が熱くなる」とつぶやく。朝日を見ながら、「さあー、今日は何を実らせようか」と実り多い一日を誓い、夕日に熱くなりながら「今日、一日の収穫は何だっただろうか、何を刈り入れただろうか」と反省する。そんな事が出来る国府高校である。
  平成十九年 二月十六日
はがき通信 その三十四
 
   新たな決意
 降り込める雨に傘を傾けて、ノートを取っている子供、粗末な教室、粗末な黒板、その中で目を上げて、一言も聞き漏らすまいとしている子供、子供、子供・・・「インドの衝撃」というテレビの一画面です。本当に「衝撃」を受けました。この子供達が育っていく十一億人のインド。あと三十年たったらどんな国に発展しているのでしょうか。その頃の日本はどうなっているのでしょう。中国は?ロシアは?アメリカは?世界は?・・本校の入試が終りました。お蔭様で、864人の生徒さんに合格通知を出す事が出来ました。「衝撃」を受けてばかりではおられません。
本校を選んでくれた生徒諸君に充実した学園生活を送らせたい。「国府高校に来たから大学に合格出来た。良い就職が出来た」。そんな思いをさせたい。台頭する世界の人々の中で決して引けを取らない若者を育てたい。私共は合格者の名前を前にして、新たな決意をするのです。
  平成十九年 二月二十三日
はがき通信 その三十五
 
   私の大好きな場所
 扉を開くと新刊が目に飛び込んできます。ある本は本立てに並んで、ある本は机に置かれていて、表紙が「早く私を読んで下さい」と呼びかけている様です。奥の机には大学受験を間近にした三年生が必死に勉強しています。ここは本校の図書館、整理された本棚の中に静謐な時間が流れます。卒業する三年生が「私の大好きな場所」と言ってくれるはずです。今の時代、インターネットが発達し、何でも一人で出来てしまいます。あらゆるものが実に簡単にアクセスできて、圧倒的に便利です。しかし、ゆったりと書物のインクの香りの中で、深い思いをする事は非常に大切な事だと思います。図書館はどんな時代になっても、本と話が出来る場所であって欲しいのです。卒業する三年生が「ここの図書館が好きだった」と巣立って行く事に一抹の淋しさと何かを残してやれたという充実した思いに駆られるのです。三月一日 467名の生徒が卒業しました。
  平成十九年 三月 二日
はがき通信 その三十六
 
   九大工 合格
 「合格しました。荒川君が九大工学部に合格しました。第一報が届く。もう先生方の顔はくしゃくしゃになって、声にならない。黙って握手する。「国府高校の素晴しいところは、優秀な先生がおられる事。そして伸び伸びと勉強できる事です。」こんな泣かせる言葉を残して卒業した彼等です。入学した時からの苦労が報われました。「生徒には皆んなそれぞれ能力がある。ダイヤモンドの原石だ。これを磨こう。」それを合言葉にさまざまな指導を続けてきました。ぐんぐん伸びていく生徒を教える事はどんな苦労も吹っ飛びます。まして、「優秀な先生方」と生徒から言われたのです。ただ嬉しいのです。県立の学校に行かずに国府高校に入学した生徒が九大に現役合格した。私どもの指導に間違いはなかった。この喜びを胸に、この自信を胸に私どもはまた新しい一年生からダイヤモンドの原石を磨く仕事に取り掛かります。
  平成十九年 三月 九日
はがき通信 その三十七
 
   日本の心
 「いきいきと細目かがやく雛かな」
 本校の正面玄関を上がると、七段飾りの内裏雛が飾られています。平成二年、その当時の校長先生、木下俊文先生が御寄贈なられたものです。今では男子生徒も立ち止まって眺めています。日本には古来、心ゆかしい行事が多くありました。雛祭りもその一つです。かっては、それぞれの家でお祝いをしていたのですが、今では少なくなっています。中にはお雛様を見た事がない生徒もいます。日本にはこんなゆかしい行事があるのだ、と私どもはいつも語りかけるのです。五月になると大きな鯉のぼりが国府高校の空に泳ぎます。失われていくものの中に、私どもは大切にしなければならないものが多くあるような気がします。三月の雛祭り、五月の鯉のぼり、七月の大賀ハスを愛でる会。私どもは日本の心を伝えたいと思っています。

  平成十九年 三月十六日
はがき通信 その三十八
 
   後輩に贈る言葉
 私が九大工学部を受験しようと決めたのは、二年生の夏でした。まだ、その頃は九大に合格できるような成績ではなく、模擬試験ではD判定でした。成績は伸び悩み、苦しい事も、辛い事もありました。だが、共に頑張る仲間がいたために、お互いに切磋琢磨しながら充実した毎日を送る事が出来ました。九大という大きな目標を立てて、その達成のために、小さな具体的な目標を一つずつクリヤーしていく。例えば英単語百個を一週間で覚えるなど、モチベーションを落とさない様にしました。しかし、何と言っても国府高校の先生方にお世話になった事が合格できた最大の理由です。一年生の時から英語、数学、二年生の時から国語の添削指導をしていただきました。本校の先生方は受験のプロです。本校の先生方を活用する事が合格の一番の近道です。(卒業生に聴く会)から
九州大学工学部物質科学工学科、現役合格 荒川真吾(桜木中出身)
  平成十九年 三月二十三日
はがき通信 その三十九
 
 麦ふみ
麦は
やっと芽を出した時
踏みつけられる
踏まなければ
育たない
もっと踏んで下さい
強く
 生きられるように
      やなせたかし
 
 教育を麦ふみに例えたら、きっと怒鳴りつけられるだろう。「うちの子は麦ですか。うちの子を踏みつけるのですか」と。
 しかし、今の子供も「もっと踏んで下さい。強く生きられるように」と、声をあげているのではないだろうか。何度も叱りつけて、何度も学校に引きずってきた生徒が、「おかげで、卒業出来ました」と頭を下げて卒業して行った。叱る事のむずかしさをいつも感じて 三月が終る。

  平成十九年三月二十八日
 
縦書き実験!(最終更新:2007/04/27)
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