価格決定の基本的方法について

 価格決定にあたって考慮すべき要因は、基本的には、コスト・需要・および競争である。これらの要因のうち、どれを重視するかによって、価格決定は、コスト志向、需要志向、競争志向の3っのアプローチに大別される。


 まず、コスト志向の価格決定には、コスト・プラス法(原価加算法)があり、これは、単位費用に、ある一定の利幅を加えたものを価格とする方法で、算式に示せば、価格=直接費+間接費+一定の利幅  となる。


 この中の、直接費(変動費)とは、生産量や販売量の変化に直結した費用であり、労務費、原材料費、物流費、などが含まれる。また、間接費(固定費)は生産量や販売量の変化に関係なくかかる費用で、原価償却費、税金、研究開発費、販促費、広告費、テナント料、棒給などが含まれる。このように、コスト・プラス法は、簡単な方法であるために、さまざまな企業で幅広く利用されているが、需要競争などの市場要因を無視してしまうという欠陥をもっている。しかし、注文生産品や公益性の強いサービス産業の価格決定法としては適している。


 また他に、マークアップ法というコスト志向の価格決定法があり、これは、コスト・プラス法の変種であり、小売業者や卸売業者による売価決定法である。算式は2通りある。
  売価=仕入原価+値入額(マークアップ)
  売価=仕入原価+仕入原価×値入率(マークアップ)
 値入額とは、「利幅(営業費+純利益)」で、値入率とは、利幅(粗利益)の仕入原価に対する割合である。


 もう一つの方法に、目標利益法がある。これは、損益分岐点分析を応用した、コスト志向型の価格決定で、目標販売量のもとで総費用に対するある目標利益率を与えるような価格を決定するものである。算式は  価格=総費用(1+目標利益率)目標販売量  となる。

右の図は、損益分岐点図表である。
売上高と総原価が等しくなる点を損益分岐点という。利益をあげるには、損益分岐点以上の売上高が必要である。
損益分岐点=固定費÷(1-変動費÷売上高)

目標売上高=(固定費+目標利益)÷(1ー変動費率)

 需要志向型の価格決定では、3つの戦略があり、それは、価格に敏感でない高額所得者層や革新的な消費者層をターゲットとしたときの価格の決め方である高価格戦略で、上層部吸収価格戦略が代表される。
 低価格戦略は、価格に敏感な消費大衆を対象にした価格の決め方で、市場浸透価格戦略が代表される。
 中間価格戦略は、価格にこだわりを残しながらも、ワンランク上位の製品やサービスを求める人々を対象とした価格の決め方である。


 競争志向型の価格決定では、価格は競争者の提示する価格に基づいて、決定される。
 競争志向型アプローチの特徴は、価格がコストや需要と直接の関係を持たないこと、及び、競争情報の入手がコスト計算や需要予測にくらべて、はるかに迅速かつ容易であることである。
 競争志向型の価格決定法の代表的なものに、現行市場価格による価格決定があり、これは、同質または、似かよった製品を販売している市場においては、売り手は現行市場価格に価格を一致させる傾向があるということである。


 また、プライス・リーダーとして、規模、技術、販売力、名声などに、卓越した力を有する業界の有力企業によって決定された価格に、残りの企業が自動的に追随をするのが、プライス・リーダー制(価格指導制)である。また、文書により価格を提示させ、最高の価格を提示した者に売り、最低価格を提示した者から購入する、という売買法が、入札制である。


 以上です。 これは、私の富士短期大学の教授、坂本秀夫氏著作の 現代マーケティング概論を引用して、作成した、レポートです。
 参考になれば幸いです。 若さで、行きましょう! では、また。 野村 澄子


 以上、本校OGの野村澄子さんが5年程前に書かれたレポートの1つです。商業科ばかりでなく、みなさんに参考になると思いましたので、無理を言って、ここに紹介しています。彼女は、コンピュータ関連会社の経営に参加しながら、短大の通信教育を受講された方です。当時、家庭の主婦、会社の経営者、学生とがんばられていました。(本ページは受講されていた1998年当時のレポートで、以来紹介文を更新せず、そのまま紹介していたことをお許しください.。内容もよく、今では本サイトの貴重なページの一つともなっており、引き続き発信させていただきます。2003/12/10)

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