伝統を受け継ぐ「礼法教育」


和室での礼法実習風景

 「親しき仲にも礼儀あり」という言葉があります。先生や先輩などの目上の人にはもちろん、友人や後輩に対しても最低限の礼儀(マナー)を守らないと、人間関係はうまくいきません。

 コンピュータが私たちの生活のいたるところに入り込み、大変便利な世の中になってきました。それでも人と人との関係のベースには、私たちが人として忘れてはならない礼儀があります。「現代っ子は礼儀を知らない」とよく言われます。礼儀は人が他人との心地よい関係を保つ秘訣なのです。

 本校では、最先端の知識や技術を習得する教育だけでなく、卒業して立派な社会人として振る舞えるように、こうした古くから大切にされてきた伝統を受け継ぐ「礼法教育」を行っています。

 「礼法教育」は1週間に1時間、特別に時間割を組んで、全校生徒に対して全職員が行っています。具体的には、礼の仕方、挨拶の仕方、敬語の使い方、和室のマナー、ビジネスマナーなどなど、社会に出てすぐに役立ち、節度ある人間になれるよう、取り組んでいます。

 こうして文字にすると少し硬い感じがしますが、礼法の基本は「他人に迷惑をかけない」、「他人を尊重する」ことです。心を込めておじぎをするときは、相手に尊敬の気持ちが伝わります。そしてまた、その行為が相手に尊敬する気持ちを起こさせるのです。そこから信頼関係がはぐくまれ、心地よい人間関係が生まれるのです。これが自然になされることが必要なのです。立つ、歩く、座るの動作も同じです。礼儀作法とは心を込めて丁寧な動作をすることなのです。

 このような礼儀作法の基本動作を体得する一方、日本の伝統を大切にする「こころ」の教育も行っています。お正月には「鏡餅」や「破魔弓」「羽子板」、桃の節句には「7段飾りの雛人形」、端午の節句には「鯉のぼり」と「武者人形」、そして7月には「七夕」の笹を飾ります。これは、将来親になる生徒たちが、日本古来の伝統と文化を味わい、健やかに成長することを願って行われています。日本に古くから伝わる年中行事を祝い、校内に落ち着いた雰囲気を作り出すことによって、豊かな感性と精神のやすらぎを学んでいます。


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