UNIXへの挑戦(1)

 ==「ワークステーション入門」続編 ==

熊本国府高等学校PC教室


 WSやUNIXは奥行きのあるもので、この一冊を読めば全部が解るというものはありません。ましてや、ちょこちょこと書いたこんな冊子ぐらいでは全てを解ろうとするのは無理かも知れません。しかし各種市販の参考図書も取っつきにくい面もあり、マニュアルに至っては尚更です。そこで、今回は前編の「ワークステーション入門」に続く「UNIX操作手引き」ということで、「より快適にUNIXを利用する為に!」ということに主点を置き、できるだけ簡潔に解りやすくまとめたつもりですが、不充分なところも多いと思います。(平成4年3月記)
 (なお、以下の1〜3は本ページに、4以降は別ページなっております。)

目次

1.ファイルとディレクトリ
2.ファイルやディレクトリ操作に関するコマンド
3.電子メール
4.メタキャラクタ(省略記号)
5.ヒストリー機能(操作歴利用)
6.リダイレクションとパイプライン
7.エイリアス(コマンドの別名登録)
8.シェルスクリプトとファイルの保護モード
9.バックグラウンドジョブ(裏仕事の依頼)

1.ファイルとディレクトリ

 「ファイル」と「ディレクトリ」の概念は、UNIXに限らず各種のOSを理解するためには重要な用語であります。このファイルやディレクトリの操作を行うのが、「OS」の大切な役目のひとつであります。
 UNIXでは、プログラムやデータをファイルという単位で扱っています。(詳しくいえば、プリンタや、ディスプレイやキーボードやディスク、そしてこの後で述べるディレクトリさえもファイルの一種である)

(1)ファイルの種類

 UNIXがこれらのファイルを管理しています。私達はUNIXに命令(コマンド)を与えて操作することにより、ファイルを造り、保存したり、取り出したり、印刷したり、コンパイルやリンクしたり、実行させたりしています。

(2)ファイル名

 たくさんのファイルを区別するために、ファイルには名前を付けます。名前の付け方には、機種によって若干の差違がありますが、MS−DOSと比べるとファイル名に関する制約はほとんどありません。LUNAの場合、ファイル名は62字以下の制限があります。英字・数字・漢字・カタカナ及び下線・コンマ・ピリオドなどの各種の記号が使えますが、?や[や]やスペース等は特別な意味を持つので使えません。しかし、機種によっては、もっと長さには制限があったり、漢字及びカタカナと記号の一部は使えないものもありますので、ご注意を!
 UNIXにおいても、ファイル名には、語幹と語尾(拡張子)の部分がありますが、MS−DOSほど拡張子の存在意味(MS−DOSでは、実行ファイルに「EXE」とか「BAT」などの特別な拡張子を付ける)はありません。ただ、ファイルの種類を区別する目的に使用されるようです。なお、拡張子の長さには制限ありませんが、語幹と語尾の間には「.」(ピリオド)を付けます。

                            
        例:uriage.cbl      
          test.c          
                            
                                                              
  英字の場合、大文字と小文字は別の文字として区別される。

(3)ファイル構造

  UNIXにおけるディレクトリ(ファイル)システムは、ツリー(tree 木)構造と呼ばれる階層構造になっていて、各ユーザ別・種類別に管理しやすくなっています。

 ユーザがログインすると、あらかじめ登録されている自分のディレクトリに入ります。このディレクトリのことを「ホームディレクトリ」と呼びます。
 ユーザは、各ディレクトリの間を移動して作業することができます。現在、自分がいるディレクトリのことを「カレントディレクトリ」といいます。
 よってログイン時は、ホームディレクトリにいるはずですので、ホームディレクトリがカレントディレクトリとなります。

(4)ファイルの指定方法・・・・パス名

 ツリー構造の中で、該当のファイルを指定する道筋のことをパス(path)名といいます。このパス名の指定には、「絶対パス」と「相対パス」があり、それぞれの特徴を持っています。以下´△離侫.ぅ襪了慊衫磴蓮∩哀據璽犬旅渋の磴鮖箸辰討い泙垢里如∋仮伐爾気ぁ

  1. 絶対パス名 絶対パス名は、ファイルシステムの根元であるルートディレクトリ(root directory)からの道筋で指定します。ゆえに、カレントディレクトリがどこであろうと、パス名を変更せずに、そのファイルを指定できます。長ったらしいが、普遍的で絶対的なのです!
  2. 相対パス名 相対パス名は、カレントディレクトリを起点として指定します。ゆえに、カレントディレクトリの場所でパス名が変わります。短く指定できるのが利点でしょう。

 区切り記号として、MS−DOSでは、「¥」を使いますが、UNIXでは、「/(スラッシュ)」を使います。他はほとんど同じようです。

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2.ファイルやディレクトリ操作に関するコマンド

(1)ファイル操作に関するコマンド

  (注意:以下、使用法の[RT] は「RETERN キー」を示します)

.侫.ぅ襪瞭睛読充─cat)
                              
        使用法:cat ファイル名[RT]  
                              

 (CATコマンドの別用法)
                                                                       
  「cat」コマンドは、複数のファイルを連結する機能を持っています。    
  ファイル1とファイル2を順に出力するには、次のように入力します。   
                                                                       
        cat ファイル1 ファイル2[RT]                                    
                                                                       
    また、この連結機能とリダイレクション記号「>」を使って、ファイル1 
    とファイル2を連結したファイル3を作ることができます。             
                                                                       
        cat ファイル1 ファイル2>ファイル3[RT]                         
                                                                       
    リダイレクション記号については、後ほど紹介します。                 
      その他に、前編で紹介したようなファイル作成にも利用できます。     
                                                                       

▲據璽献好ロール付きのファイルの内容表示(more)
                               
        使用法:more ファイル名[RT]  
                               
                (1ページで表示しきれないファイルの場合は便利)
                                                                  
                SPASEキーで、1ページ スクロールします    
                                                                  
                なお、CTRL+d(「^D」とも書く)で、半ページ
                      [RT]キーで、1行 スクロールします            
                                                                  

ファイルのコピー(cp)
                                                          
        使用法:cp file1 file2[RT](file1をfile2に複写)    
                                                          
                        (file1及びfile2はディレクトリを含めたパス名でも可)

ぅ侫.ぅ襪琉榮亜mv)
                                                              
        使用法:mv file1 file2[RT](file1の名前をfile2に変更)  
                                                              
                        (file1及びfile2はディレクトリを含めたパス名でも可)

ゥ侫.ぅ襪虜鐔(rm)
                                   
        使用法:rm ファイル名[RT]    
                                   
                        (ファイル名はディレクトリを含めたパス名でも可)

                                                                    
        rmの使用は気をつけよう。間違って削除しても、とり返しがきか  
        ない。そこで                                                
        rm -i ファイル名[RT] (オプション「i」を利用)               
        とすれば、確認を取りながらファイルを削除する。              
                                                                    

Ε侫.ぅ襪離廛螢鵐申侘蓮lp)
                                  
        使用法:lp ファイル名[RT]   
                                  
                        (ファイル名はディレクトリを含めたパス名でも可)

(2)ディレクトリ操作に関するコマンド

.妊レクトリ表示(ls)
                                      
        使用法:ls ディレクトリ名[RT]   
                                      
        (指定ディレクトリのファイル名だけを表示、ディレクトリ名を省略したら、カレントディレクトリを指定したことになる)

          ls -l[RT]      エル・エス・スペース・マイナス・エルだよ!

                ファイルの繊細情報(前編参照)も表示します。

                これ以外にも、様々なオプションの設定ができます。

                           
          ls -a[RT]    
                           
                .で始まるファイル(「.cshrc」などの環境設定ファイルなど)も表示します。

                           
          ls -F[RT]    
                           
                ファイルタイプも表示します。

                                                           
                        ファイル名だけはテキストファイル
                        *が付くのは実行ファイル   
                        /が付くのはディレクトリ           
                                                           

        「l」(エル)、「a」、「F」などのオプションは、複数同時に指定できます。
                                         
         例:ls -laF[RT]など    
                                           

▲妊レクトリの作成(mkdir)
                                        
        使用法:mkdir ディレクトリ名[RT]  
                                        

ディレクトリの削除(rmdir)
                                        
        使用法:rmdir ディレクトリ名[RT]  
                                        

ぅレントディレクトリの表示(pwd)
                         
        使用法:pwd[RT]    
                         

ゥレントディレクトリの移動(cd)
                                        
        使用法:cd ディレクトリ名[RT]     
                                        
        (ディレクトリ名を省略すると、ホームディレクトリに戻る)

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3.電子メール

 「電子メール」が、自然に溜まっていることがあります。

 UNIXでは、同じコンピュータを使用するユーザの間で、郵便を送ったり、受け取ったりすることができます。これを「電子メール」といいます。

 各ユーザが送るメールのほかに、ホストコンピュータ自身が、各ユーザに対して「メッセージ」を発信する大事なメールもあります。

                        
        You have mail.  
                       
のメッセージがあったら、必ずメールを読むようにして下さい。
                                                                       
     「You have mail.」を無視して作業を続けても、作業は継続できる。し
   かし、コンピュータが自動的に発信するメールには、プリンタやエディタ
   などの操作に関するメッセージをはじめ、ハード・ソフト操作上の重要な
   ものも多いので、必ず読んでおくこと!                               
                                                    

(1)電子メールの読み方

 まず、メールの読み方を説明します。

 あなたに、メールが届いていれば、ログインしたらすぐに、あるいは利用している途中でメールが送られてくれば、その都度、画面に次のような表示が現れます。

                        
        You have mail.  
                        

 このときは、次のように入力して下さい。
              
    mail[RT]  
              

 画面は、次のようになります。

 (電子メールの1例)
                                                                     
    From nari Fri Mar  5 15:44 JST 1992                              
    自分自身にメールを送ってみます。                                 
    明日は午後から天気が悪くなるそうですよ。                         
    日曜日は山に登れませんね!                                        
    メールのテストでした。さようなら                                 
    ?                                                                
                                                                     

 これが、一番最近到着したメールです。
 文面の最初の行は、電子メールの「ヘッダ」と呼ばれ、発信者や日付けなどが解るようになっています。ヘッダはコンピュータが自動的に付けてくれます。

 (ヘッダの意味)
                                             
                                             
     From nari Fri Mar  5 15:44 JST 1992     
                                             
        発信者のログイン名      発信日付け   
                                             

 最後の「?」は、プロンプトです。メール操作の「サブコマンド」の入力待ちの合図です。
 「どのようなサブコマンドがあるのでしょうか?」 調べてみましょう。

 次のように入力して下さい。
            
    ■[RT]  
            

画面は、次のような「ヘルプ画面」に変わります。
「h」以外に、「?」や「help」でも構いません。

                                          
    ? h                                   
    usage                                 
    q       quit                 ・      
    x       exit without changing mail    
    p       print                         
    s [file]    save (default mbox)       
    w [file]    same without header       
    -       print previous                
    d       delete                        
    +       next (no delete)              
    m [user]    mail to user              
    ! cmd       execute cmd               
    ?                                     
                                          

 これが、サブコマンドの一覧と、その使用法です。これらを自由に使って、メールの処理を行います。

 (主なコマンド)
                                                                    
    q:メールを読むのを中止して、UNIXプロンプトにかえります。  
        メールはそのまま残ります。                                  
    d:送られてきたメールを消去します。                            
    s:送られてきたメールを「mbox」というファイルに保存します。    
        s ファイル名[RT]とすれば、そのファイル名で保存します。        
    +:次のメールを表示します。([RT]も同じ。)                      
    −:1つ前のメールを表示します。                                
    x:全メールを変更せずに、終了します。                          
    !コマンド:UNIXのコマンドを実行します。                    
                                                                    
                                                  
    不要なメールは「d」で、消しておく。      
    (メールは溜まるばかりである)                
                                            

 コマンドを入力して、そのメールが終わっても、まだメールがあれば、次々に表示されていきます。

(2)メールの送り方

 「kai」(ログイン名)さんに送ってみます。次のように入力して下さい。

    mail kai[RT]       
                                                                    
 画面は、変化しません。    
 続けて、送るメールの内容を書いて下さい。

 書き終わったら、
                                                  
    ■達圍劭魅ーとdキーを同時に押して下さい。  
        これは、「^d」と表示される。            
                                                  
 これで、「kai」さんへ「電子メール」が送られたことになります。

                                                                       
                                                                       
    mail ユーザ1 ユーザ2 ユーザ3[RT]                                  
                                                                       
   このようにすれば、同じ文面を、「ユーザ1」、「ユーザ2」、「ユーザ
   3」の3名に、一度に送ることもできる。なお、「ユーザ1」等は、「ロ
   グイン名」である。                                                 
                                                                       

 また、「vi」エディタなどを用いて、通信文をあらかじめ作成しておいたファイルを送る方法もあります。
 あらかじめ、通信文を「mfile」のファイル名で作っておけば、次のいずれかの方法で、送ることができます。

                                    
    方法1   mail ユーザ名

 「<」や「|」については、後記する「リダイレクト」や「パイプライン」の項6を参照して下さい。

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「4〜7」は

UNIXへの挑戦(2)です

「8〜9」は

UNIXへの挑戦(3)です


文責:成田

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