パソコン実習システム(概略)

  生徒ひとりひとりを生かす、
    きめ細かなコンピュータ教育システムを目指して


 本システムは、パソコンの基本操作を学ぶことを目的とし、一人の教師がクラス単位で、一斉授業が実施できるコンピュータ・システム環境を構築している。(第1パソコン教室49台。95年末に完成した「第2パソコン教室」は、Windows95を中心とした指導用を含めた50台のシステム、他に総合実践室は、同時に2クラス合同コンピュータシミュレーション実習が可能な35台のネットワークシステムなどがある)以下、本校の「パソコン実習システム」について、述べてみたい。(注意:以下の記述は91年末時点のもので、途中省略あり)


[1]はじめに(本校のコンピュータ環境)

 高度情報化が進む現在、オフィスにおけるOA化は業種、規模を問わず確実に定着しつつあり、それにともない、特にコンピュータを広範囲に理解し、使いこなせる人材が強く求められている。将来の人材を育成することを目的とする学校教育においては、なおさらコンピュータ教育への期待感が高まってきているといえる。
 このような社会的環境を背景として、本校では教育の更なる充実のために、これまでの汎用コンピュータ(FACOM M130F)システム(別項で記述)とは別に、ワークステーション(workstation)と結んだパソコンLAN(Local Area Network)システムの導入に踏み切り、1991年末までにワークステーション6台、パソコン73台を設置した(1996年9月末現在、ワークステーション6台、パソコン157台)


[2]本校パソコンネットワークシステムの特徴

 本校の導入システムの特徴としては、単なるパソコンの単体システム(stand alone)ではなく、パソコン間をネットワーク(network)で結び、かつ、ワークステーションの端末として活用できるようになっている。なお、ワークステーション(WS)とは、複数のユーザーが、それぞれ別々の仕事をすすめることが出来るコンピュータ(従来の汎用ホストコンピュータシステムに代わる機能を持つ)で、現在、最も期待されているコンピュータの一つである。例えば、授業を進めながらも、次の授業の準備を同時に進めることも可能である。ネットワークを経由して、各パソコンで作成されたファイルをワークステーションに集中して格納することができる。
 以下、本校パソコンネットワークの主な特徴をまとめておく。

ワークステーションを媒体にした、Ether-netでのデータネットワークを構築し、新時代のオフィス環境を体験できる。(ファイル・プリンタサーバーシステム:ハードディスクやプリンタなどの周辺機器の共有化システム)
PC-Semiで画像/音声のネットワークを構築し、教師・生徒間の自由なコミュニケーションができる。(パソコン授業補佐システム)
JCoucusを利用して、職員及び生徒間の会議・連絡板としても活用できる。(電子会議システム)
外部とのネットワークを構築し、広く校外とのコミュニケーションがはかれる。(BBSホスト設置、パソコン通信)

 以上の特徴の中で、本項では、特に,鉢△鰺用した「パソコン実習システム」について述べることにする。
 次に、本校ネットワークシステムの概略を図に示しておきたいと思う。WSとあるのはワークステーションのことであり、太い実線が同軸ケーブル、細い実線がトランシーバケーブル、破線がPCゼミの接続を示すものとする。
 (本校のネットワークシステム概略図 省略)


[3]ワークステーションとユニックス(UNIX)

1.ワークステーション

 現在、ワークステーション(WS)と呼んでいるコンピュータは、メーカーによって定義もまちまちで、一応オペレーティング・システム(OS、基本ソフト)にUNIXを採用し、パソコンと比べて高解像度・高速処理を特徴とするコンピュータと考えれば間違いない。事実パソコンの10数台分を1台でこなすことができる機能を持っている。ワークステーションは、今最も注目を集めているコンピュータである。高速で、しかも大容量の上、ネットワーク機能をはじめ様々な機能と特徴を持ち、多くの期待が寄せられている。1994年には、ビジネス、OAを中心としたエンジニアリング以外の分野でのUNIXワークステーションの数が、50%を超えるだろうとの予測もある。(米国では、既に50%以上がビジネス分野での利用とのこと。日本では、まだ20%程度という。)
 今回、本校に導入したワークステーションはオムロン株式会社の「LUNA」(DT65を5台とFS180を1台)というもので、CPUに「MC68030」(メインメモリー8MB)を、また、基本ソフトウェアとして、「統合化OS」である「Unios-U」を採用した高性能なものである。ファイルサーバ(file server ワークステーションの1.76GBのハードディスクを、さも、他のワークステーションやパソコンのディスクかのように利用すること)としての利用をはじめ、パソコンを端末機器として使って、ワークステーションの機能をフルに活用することができる。

2.UNIXとは

 UNIXとは、ワークステーションを中心に、世界中で広く利用されているオペレーティング・システム(Operating System 以後、OSと略記)である。現在ではワークステーションだけでなく、メインフレーム(mainframe)、スーパーコンピュータ(supercomputer)へも移植されて、多くのコンピュータで稼働している。
 UNIXは、1969年に米国AT&T社のベル研究所で誕生して以来、いろいろ改良されて、現在大きくAT&Tの「System紅如廚函▲リフォルニア大学バークレー校で発展した「BSD版」という、2つの流れがある。 本校のLUNAのOSである「UniOS−U」は、この2つの流れの機能を加えて作成された統合OS(「SystemV2.1」に「4.2BSD」の通信関係機能を加えた)である。

3.UNIXの特徴

 それではUNIXの主な特徴を簡単にまとめてみる。

.侫.ぅ訌犧遒簡単
■餌罎離灰鵐團紂璽燭鯑瓜に複数の人間で操作できる(マルチユーザ機能)
1人で複数のプログラムを同時に実行できる(マルチタスク機能)
ぅ灰泪鵐鼻command コンピュータの命令語)が豊富(300以上)
ァ屮轡Д襦shell)」という、使いやすいコマンド・インタプリタ(command interpriter)を備えている
Ω朕佑旅イな作業環境を作ることができる(カスタマイズ機能)
Д灰泪鵐匹鯀箸濆腓錣擦董⊆分用の新しいコマンドを簡単に作れる
電子メールなど、ネットワーク間の通信が容易にできる
「ツール(tool)」と呼ばれるPDS(Public Domain Software フリーソフトとも言って、誰でも利用できるソフトウェア)が豊富に提供されている
ほとんどの部分をC言語で書かれているので、他機種への移植が容易である

[4]ワークステーションのシステム管理

 パソコン以上に、ワークステーションを利用していく上においては、そのマルチユーザ・マルチタスクなどの特徴を維持するためにも、次のような日常のシステム管理が重要となる。

1.システムの起動と停止

 「起動」は周辺機器(プリンタ等)の方から順に電源を入れるだけだが、「停止」については、次の手続きが必要である。

.罅璽兇他にlogin等していないことを確認する。
他にユーザがloginしていたら、警告を出す。
logoutし、「Console Login:」の画面まで戻る。
ぁConsole Login:」に続けて powerdown -y と入力する。

 これで、ワークステーションは自動的に電源が切れる。しかし、他の端末から誰かがloginしていたら、その旨のメッセージを表示して途中で止まるので、その指示に従って「警告等」を入力する必要がある。

2.ユーザー管理

 ワークステーションのユーザを登録したり、削除したりすることである。スーパーユーザになることが必要である。
 ユーザ登録においては

.僖好錙璽疋侫.ぅ襪悗療佻
▲哀襦璽廛侫.ぅ襪悗療佻
ホームディレクトリの作成
ぅ妊レクトリの所有者・グループの変更

 ユーザ削除においては

.曄璽爛妊レクトリの削除
▲哀襦璽廛侫.ぅ襪らユーザ名削除
パスワードファイルよりユーザ名削除

3.プロセス管理

 特定のプロセスがCPUを独占していないか、異常なプロセスが発生していないか等プロセスの状態を把握し、必要あればプロセスの所有者に警告を与えたり、停止させたりする。

4.ネットワーク管理

 ネットワーク関係の各種機器や、各ファイルの設定や管理を行なう。
 /etc/hosts:ネットワーク・コマンド使用時に、マシン名で理解されるインタネットアドレスに変化する役目を持ち、ネットワーク上のマシンは、全てここに登録する。
 /etc/networks:そのマシンの所属しているネットワーク名と、ネットワークアドレスが記述されている。
 /etc/hosts.eqiv:rコマンドの実行許可を与える。互いのマシン名を登録しているときのみrコマンドがつかえる。

5.環境設定

 Cシェルの起動時や、ログイン時の環境を設定する必要がある。システム共有の環境設定を 「/etc/CSHRC」(Cシェル起動時の環境設定) や、「/etc/LOGIN」(ログイン時の環境設定) というファイルで、本校独自の設定を行なっている(資料を参照)。各ユーザ毎の独自の環境設定も、各ユーザのホームディレクトリの 「.cshrc」 や、「.login」 及び、「,gmwrc」(マルチウィンドウシステムGMWの起動設定)で、設定できる。

6.バックアップ

 機械は壊れる、人は間違う。大切なデータやシステムが消えたり、壊れたりすることもある。よって、常にシステムの安全性を考えて、定期的なバックアップが重要になる。ストリーミングテープ・ドライブを使用。


[5]パソコンの機能

1.ハードディスクの各モード

 パソコン教室のパソコンは、日本電気株式会社のPC9801RX51というもので、本体に40MBのハードディスクを内蔵しており、ワークステーションとのネットワークを実現するために、拡張スロットにLANボードが装着され、またイーサネットでワークステーションと結ばれ、またネットワークソフトであるEXECELAN、PC−NFSを利用する。PC−NFSはパソコンを立ち上げ時に「autoexec.bat」によって自動的に起動できるようになっている。
 パソコンを単独で利用(stand alone)したい場合は、パソコン立ち上げ時にPC−NFSが起動しないようにしなければならない。そこで、ハードディスクのパーティション(領域)分け、あたかも4台のハードディスク・ドライブを持っているがのように設定している。
 そこで、パソコンをハードディスクから起動させると、ハードディスク起動メニューが表示されるので、カーソル移動キーを使って各モードを選択することができる。

 「 Д僖愁灰鵐癲璽鼻廚鯀択すれば、自動的に 「アプリケーション起動メニュー」(後述します)が現れて、各種のワープロなどのアプリケーションソフトが実行できるようになっている。ここを立ち上げればパソコンを単独で使用できる。
 「◆В味妝裡船癲璽鼻廚任蓮■味妝裡舛涼舎としてパソコンを利用することを前提に、立ち上げ時にEXCELANが自動的に起動されるようになっていて、ここを立ち上がらせれば、COBOL実習や、JCaucus(電子会議システム)やワークステーションのソフトを活用できる。
 「:CAIモード」は、LUNAのディスクをあたかもパソコンのディスクのように使用できるようにPC−NFSが自動的に起動され、ここを立ち上がらせれば、ワークステーションをディスクサーバーとして活用できるようになる。
 「ぁДプションモード」は、今後のアプリケーション拡張の際の予備ディスクとして、今のところMS−DOSシステムだけがインストールされているだけである。

 なお、職員室では、各種のアプリケーションや、ユーティリティをインストールしているので、それぞれのサブディレクトリが作成されている。
 もちろんハードディスクからではなく、フロッピーディスクからも、各種のアプリケーションソフトを立ち上がらせることも可能である。各種のシステムが入ったフロッピーディスクをフロッピーディスクドライブに挿入して、電源またはリセットボタンを押してもらえば可能である。

2.アプリケーション起動メニュー

 「 Д僖愁灰鵐癲璽鼻廚離▲廛螢院璽轡腑鶺動メニューをMS−DOSのバッチファイル(batch file 一連の操作を一括実行させるために作られたファイル)「JMENU.BAT]として作成しているので、そのリストと、その実行画面を次に紹介する。このバッチファイルは、自分が起動したいアプリケーションソフトを、その番号を選択するだけで、簡単に起動させることができるように作成している。(以下省略)


[6]PCゼミについて

 (省略)


[7]パソコン教室利用状況

 まだ、完全とはいかず、中途半端な点も多々あるが、平成3年度のパソコン教室の利用状況と使用ソフト名を簡単にまとめると、以下のようになる。

1.授業科目

        ‐霾鷭萢1、2・・・言語実習(COBOL供
                          表計算ソフト実習(LOTUS1−2−3)
                          パソコン基礎(MS−DOS)

        ∩躪膽汰・・・・・・日本語ワープロ実習(一太郎)
                          表計算ソフト実習(1−2−3)
                          会計ソフト(大蔵大臣)

2.課外活動

        .僖愁灰麁厩ゲ顱ΑΑΕ廛蹈哀薀潺鵐亜複裡牽牽贈腺咤稗叩
                          パソコン基礎(MS−DOS)
                          日本語ワープロ実習(一太郎)
                          パソコングラフィック(NAPPY)

        ∧厳殄堯ΑΑΑΑΑΑκ現減鄒(一太郎)
        N上部・・・・・・・記録簿作成(1−2−3)

        ぐ貳明検ΑΑΑΑΑΑ授業補習(COBOL、一太郎、1−2−3)

3.成績処理

        ‘学試験・・・・・・入試システム(ACCELL、UNIFY・BASIC、1−2−3)

        ⊆体蓮δ蟯考査・・・定期考査成績処理(1−2−3)

4.その他

        /Π研修・・・・・・パソコン入門(1−2−3)
                          +αコース(MS−DOS、一太郎、1−2−3)
                          CAI作成(あっちゃん、NAPPY)
                          ワークステーション操作(UNIX)
                          成績処理(1−2−3)
                (詳しくは、「8職員研修」の項で)

        中学生1日体験入学・パソコンとは?(BASIC)
                          CAI(あっちゃん、NAPPY)
                          学校紹介(CAI応用)
                          占い(BASIC)

        J顕什廖ΑΑΑΑΑΑΕ押璽爛魁璽福複贈腺咤稗辰筍院檻押檻海任離リジナル及びパブリック・ドメインソフト等活用)
                          パソコン紹介コーナ
                          占いコーナ

5.パソコン教室への期待

 本パソコン教室は、本校パソコン実習システムの中核をなす場所である。本パソコン教室をパソコンと生徒や職員との交流の場として位置付けたい。すなわち、単にパソコンを教わる場所としてではなく、パソコンに触れ、慣れ親しむコミュニケーション・センターとしてのパソコン教室でありたいと、願っている。また、単なる「コンピュータ・リテラシー教育」(computer literacy コンピュータの基本的・具体的な知識、操作方法を教育すること)の場としてだけでなく、「CAI」(別項「CAIシステム」参照)や、「電子会議や通信」(別項「パソコン通信システム」参照)及び、CMI等を含めた、将来へ更に広がるパソコン利用への一里塚としての位置を目指したい。
 そのためにも、特定の教科・クラブ・職員だけでなく、また活用の範囲を校内だけにとどめることなく、可能な限り、地域社会をも含めて、広く校外にもに開放していくことによって、常に新しい情報の息吹を注入し続けていきたいと願っている。また、コンピュータを始めとするME機器は時がたてば、すぐに陳腐化してしまう。後生大事に、ショールームに飾っていても仕方ない。どれだけ多くの人に利用されるかが重要である。本教室の機器がほこりを払う時間もないほどに利用されていくことを期待する。


[8]職員パソコン研修について

 「生徒が習うものなら、私達も」と、初めての職員一斉研修が平成2年の夏休みに実施された。その様子を報告したい。
 教わる方が初めてというのは解るが、指導にまわる職員だって初めての経験、何を、どのようにして教えればいいのやら。「カリキュラムは?」、「テキストは?」、「講師は誰が?」、・・・・と、全てが初体験の連続であった。
 指導だってひとりではできない。そこで、少しばかりパソコン経験のある人を集めることから出発した。そして協議の上、ロータスの「1−2−3」をテーマに選ぶことにした。春から始まった成績処理等にも必要だし、便利さも解るだろうということであった。
 「何時間やるのか、どの程度の内容なのか?」と、数日間の協議のあと、テキスト作り・・・、というふうに準備を進め、下記の要項で第1回目の講習を平成2年の夏休みに実施した。

        日時:次のA〜C班日程の中から、都合のつく班を希望受講
                A・・・7月30/31日の午前(8:40〜12:00)
                B・・・7月30/31日の午後(13:00〜16:20)
                C・・・8月20日の午前と21日の午後
        内容:LOTUS1−2−3入門
           成績一覧表作成(作表・データ入力・合計・平均・最高・最低・ランク付けetc.)

        自作テキスト: ・パソコン入門「1ワン2ツー3スリー)
                    ・1−2−3入門
                        ・実習テキスト

        場所:本校パソコン教室

        講師:本校職員8名

 「何人集まるか?」という心配をよそに大入り満員。7月7日の最初の受講調査締め切りで、60名を超えてしまった。当日は、予定外の職員まで参加し、テキストの数(80冊)さえ足りなくなり、講師用を配布する始末であった。
 「そぎゃんこっじゃ、生徒よりダメばい!」と、自分の息子ほどの講師代わりの若い職員の檄に、ベテランの先生までが生徒になりきっての受講風景、まさに汗と笑いの、厳しくも楽しい4日間となった。互いに、パソコン修得以外にも新たな教育への何かを再発見できた講習会となった。
 当初、「学校にパソコンがやってくる」と聞いたとき、職員間には期待とともに不安も行き交った。「パソコンを身近に感じた」という感想に代表されるように、そんな不安が、この講習会でかき消されたこともうれしい収穫であった。
 なお平成3年は、昨年度の「入門コース」に加えて、「+αコース」として、以下の内容を実施した。テキストとその内容を紹介したい。

        テキスト
         ・MS−DOS入門
           (MS−DOSとは、主な用語と手引き、簡単コマンド利用)
         ・PCデータ変換と1−2−3マクロ入門
           (1−2−3と一太郎間のデータ変換、1−2−3マクロ入門)

 また、平成4年度は、CAI支援ソフト「あっちゃん」や、画像作成ソフト「NAPPY」の講習を予定している。
 なお、自作テキスト類についは、間に合わせで作成した、不充分なものだが、テキスト編で参照願いたい。


[9]終わりに

1.現行での問題点

 すでに多数の生徒・職員に利用されているということは、誇らしくまたすばらしいことである。しかし、反面、パソコン教室をはじめとするコンピュータ機器を管理していく上に幾つかの問題点もでてきている。以下、思いつくまま上げてみたい。
 一番に上げたいのが、機器等のトラブルがあっても、そのままにしてあることである。トラブルのため、次の実習に差し支えることもあった。「生きているものは、いつかは死ぬもの」と同じく、機械は壊れるものであり、壊したことより、壊したままにして、次の利用者に迷惑がかかることのほうが問題なのである。
 プリンタ操作ミスも相次いだものである。COBOL実習においてはプリント出力をサーバーシステムに依存するため、そのプリンタ管理にも問題点が多かった。何らかの原因でプリンタが動かず、プリンタに出力したはずのものが、プリントされずに、たまってしまったことも多々あった。
 生徒達の教室内の移動時に各種のケーブルに接触し、そのためにケーブルがはずれかかってのトラブル(ディスプレーやプリンタ)も多かった。
 ソフト操作のミスのためのトラブルもあった。特にVI(UNIX上の代表的スクリーンエディタ)などの操作上のトラブルである。例えば、VIでは入力されていないところには、カーソルは動かないのが当然なのだが、それを無理やり動かそうとしたり、コマンドモードと入力モードの勘違い。また、自分では気付かぬうちに(誤って)キーを入力してしまって関係ないコマンドを実行していることも多かった。
 また、担当者だけでは解決不可能な、システム的なトラブルも多々あった。UNIXの通信コマンドが実行できなくなったり、ワークステーションが立ち上がらなくなったり、当方の技術不足や機器の故障もあった。オムロンやNTTテレサポートから来てもらったり、電話や、ファックスでの指示を仰いだことも度々あった。これまでの適切なアドバイスと応対に感謝している。
 以上のことは、全て解決できる問題点である。プリンタ操作や、VI操作のマニュアルを配布したら、その面のトラブルは減少していったことからも解る。これまでは操作ミス等のトラブルが目立ったが、これからは、ハード・ソフトの故障などのトラブルも多くなる恐れがある。プリンタ、キーボード、CPUなどのハード上やアプリケーションソフトの設定変更や、ファイル削除・コピー等でのトラブルなども出現したりと、その対策も急がねばならない。各種の問題点や、トラブルを出さないためにも、システム管理者の更なる知識・技術の吸収とともに、より解りやすい、マニュアルや、テキスト作りを急がねばならないと痛感するしだいである。

2.更なる夢を求めて

 今やっと、10年来の夢が、少し実現したのは大変すばらしいことだ。しかし、まだ課題も多い。はっきり言って、ハードウェアーはあるが、ソフトウェアと、ヒューマンウェアの充実が最大の課題かも知れない。ハード面についても、本校の生徒数からすれば、あと2〜3教室分は欲しいところだ。ソフト面についても、ネックは人材不足かも知れない。しかし、泣き言などはいってはおれない。今ある資源を最大限利用して、より良いシステムを構築していこうと職員一同張り切っている。なお、パソコン教室の増設は、現実問題として構想中である。
 なお、これからのコンピュータ教育に期待されているものは、単に「コンピュータの操作を教える」ことではなく、高度情報化社会で主体性をもって生き抜いていく為の素養、社会に氾濫する「情報」の中から、有用な「情報」を的確に活用・処理できる能力を育成することである。その観点から眺めれば、本校の現状はまだ未熟で、将来への期待感だけであるが、それを目標としている。
 生徒ひとりひとりの能力や、理解度にあわせた、きめ細かな授業を行なうためのコンピュータ教育システムを構築したい。今、このコンピュータ・ネットワーク・システムを更に発展させて、日本一のインテリジェントスクールを築き上げていきたいという大きな夢を描き始めているところである。(1992年3月 nari)


文責:成田

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